Bernard Williams「想像と自己」

Bernard Arthur Owen Williams, Imagination and the Self - PhilPapers Williams, Bernard Arthur Owen (1966). Imagination and the Self. Oxford University Press. ウィリアムズの有名な想像力に関する論文。最近ウォルトンの翻訳を読んでいて、そういえ…

T.M. スキャンロン『われわれがお互いにすべきこと』「価値」

What We Owe to Each Other作者: T. M. Scanlon出版社/メーカー: Belknap Press発売日: 2000/11/15メディア: ペーパーバック クリック: 2回この商品を含むブログを見る 『われわれがお互いにすべきこと What We Owe To Each Other』の二章*1「価値」を読んだ…

Susan Wolf『人生の意味とそれはなぜ重要か』

Meaning in Life and Why It Matters (The University Center for Human Values Series)作者: Susan Wolf出版社/メーカー: Princeton University Press発売日: 2010/03/01メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る スーザン・ウルフの講義録。「人生の…

『判断力批判』の美的判断の演繹論

ワイド版世界の大思想 (〔第1期〕6)作者: カント,樫山欽四郎出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2004/09メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログを見る 判断力批判作者: イマヌエル・カント,熊野純彦出版社/メーカー: 作品社発売日: 2015/05/…

Joel Feinberg「不条理な自己実現」

Joel Feinberg, Absurd self-fulfillment - PhilPapers Feinberg, Joel (1980). Absurd self-fulfillment. In Peter van Inwagen (ed.), Time and Cause. D. Reidel 255--281. absurdの訳で悩むのだが「不条理」と「アホらしさ」を使いわけることにする。不…

Quentin Smith「道徳的実在論と無限の時空間は道徳的ニヒリズムを含意する」

Quentin Smith, Moral Realism and Infinite Spacetime Imply Moral Nihilism - PhilPapers Smith, Quentin (2003). Moral Realism and Infinite Spacetime Imply Moral Nihilism. In Heather Dyke (ed.), Time and Ethics: Essays at the Intersection. Klu…

R.M.ヘア「何も重要ではない」

Applications of Moral Philosophy作者: R M Hare出版社/メーカー: Palgrave発売日: 2014/01/14メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログを見る 上の本に収録されている講演。この本は日本語訳も昔『倫理と現代社会』というタイトルで出てるんだけど、…

宣伝: 重要さの哲学と重要さの懐疑論

若手哲学フォーラムで発表するのでその宣伝。 哲学若手研究者フォーラム - 2016年度 スケジュール 7月17日11時からです。正式なタイトルは「重要であることそれ自体について: 重要さの哲学と重要さの懐疑論」です。 重要であるとはどのようなことであるのか…

Philip Quinn「キリスト教における人生の意味」

Philip QUinn, The meaning of life according to Christianity - PhilPapers Quinn, Philip (2000). The meaning of life according to Christianity. In E. D. Klemke (ed.), _ The Meaning of Life _. Oxford University Press 57--64. The Meaning of Li…

Kendall Walton「想像による聴取 - 音楽は表象するか?」

Kendall Walton, Listening with imagination: Is music representational? - PhilPapers ウォルトンの音楽論。この論文の発展版が「ソウトライティング」なので、以下と合わせて読むのがよい。 Kendall Walton「ソウトライティング - 詩と音楽における」 - …

Guy Kahane「もし何も重要でないならば」

Guy Kahane, If Nothing Matters - PhilPapers Kahane, Guy (2016). If Nothing Matters. Noûs 50 (2):n/a-n/a. 重要なものがいっさい存在しなければ、何がどうなるのかを論じている論文。 この著者には、Our Cosmic Insignificanceというすばらしい論文があ…

G.K.チェスタトン「おとぎの国の倫理学」

G. K. Chesterton, The Ethics of Elfland - PhilPapers Chesterton, G. K. (2008). The Ethics of Elfland. The Chesterton Review 34 (3/4):443-460. 正統とは何か作者: ギルバート・キースチェスタトン,Gilbert Keith Chesterton,安西徹雄出版社/メーカー…

Yitzhak Benbaji「道徳的なもの、個人的なもの、私たちが気にしていることの重要さ」

Yitzhak Benbaji, The moral. The personal, and the importance of what we care about - PhilPapers Benbaji, Yitzhak (2001). The moral. The personal, and the importance of what we care about. Philosophy 76 (3):415-433. フランクファートの論文へ…

スタンフォード哲学事典「価値理論」

Value Theory (Stanford Encyclopedia of Philosophy) ちょっと前に読んだ。 著者は良さ優先説good-first theoryと価値優先説value-first theoryを区別している。普通、「良さ/悪さ」と「価値」は区別されないが、両者のどちらが優先されるかを区別する文脈…

Aaron Smuts「哲学としての映画: 大胆な主張の擁護」

映画は哲学できるか?という問題に関するもの。「大胆な主張bold thesis」と呼ばれるテーゼ、すなわち「映画は映画独自の手段でもって、オリジナルな哲学的貢献ができる」という主張を擁護している。 Aaron Smuts, Film as Philosophy: In Defense of a Bold…

トマス・ネーゲル「アホらしさ」

タイトルのthe absurdは翻訳だと「人生の無意味さ」になっている。定訳は「不条理」。個人的には「アホらしさ」がいいような気がしているのでそれでいく。 以前からこの論文は構成がわかりにくいと思っていたのでメモ。 コウモリであるとはどのようなことか…

スタンフォード哲学事典「問い」

問いquestionの意味論に興味があり、調べている。 Questions (Stanford Encyclopedia of Philosophy) Hagstrom 2003も読んだ。 Uegaki forthcomingでも勉強させていただきました。 「問い」に関する哲学的興味っていくつかあって、 問いの意味論に関する言語…

哲学の論文を作る時

発表したり、論文を書くとき、自分がいつもどういう工程でやっていて、どこにどれくらい時間をかけているのかというのを考えていた。「この辺効率化できるかなー」とか考えたかったのでいろいろ書き出してみる。できれば他の人の例も知りたいよね。 重要な前…

Harry Frankfurt「最終目的の便利さ」

この論文で、フランクファートは、そもそも人間が何らかの目的をもつことは何の役に立つのかという問題を扱っている。 On the Usefulness of Final Ends Necessity, Volition, and Love作者: Harry G. Frankfurt出版社/メーカー: Cambridge University Press…

Paisley Livingston「哲学としての映画に関する近年の仕事」

Livingston, Paisley (2008). Recent work on cinema as philosophy. Philosophy Compass 3 (4):590-603. philpapers.org 「映画に哲学ができるか?」というテーマには、意外と蓄積があって、これはPhilosophy Compassのサーベイ論文。 皆様ご存知のように、…

Harry Frankfurt「私たちが気にしていることの重要さ」

Harry Frankfurt, The importance of what we care about - PhilPapers Frankfurt, Harry (1982). The importance of what we care about. Synthese 53 (2):257-272. 以下の同名の論文集にも収録されている。 The Importance of What We Care About: Philoso…

Lee Walters「創造されたタイプとしての反復可能な芸術作品」

Lee Walters, Repeatable Artworks as Created Types - PhilPapers Walters, Lee (2013). Repeatable Artworks as Created Types. British Journal of Aesthetics 53 (4):461-477. 音楽作品や文学作品は、人間が創造したタイプであるという立場を擁護する論…

Jerrold Levinson「音楽作品とは何か」

Jerrold Levinson, What a musical work is - PhilPapers Levinson, Jerrold (1980). What a musical work is. Journal of Philosophy 77 (1):5-28. 参照: ジェロルド・レヴィンソン「音楽作品とは何か」 - 病める無限の芸術の世界 作品の存在論の古典。 前…

戸田山『恐怖の哲学』ウォルトンの箇所

恐怖の哲学―ホラーで人間を読む (NHK出版新書 478) 少し前に戸田山さんの新刊『恐怖の哲学』が出た。個人的にはとても楽しく読んだ。未読の人のために、一応簡単な紹介を書くと、1部は感情の哲学、2部はホラーの哲学、3部は意識という構成になっている。1部…

Takashi Iida, "On the Concept of a Token Generator"

philpapers.org Iida, Takashi (2013). On the Concept of a Token Generator. Annals of the Japan Association for Philosophy of Science 21:37-55. 飯田隆さんのタイプとトークンの存在論に関する論文。ここでタイプとトークンと言われているのは、自動…

Brock, Everett編『虚構対象』

Fictional Objects出版社/メーカー: OUP Oxford発売日: 2015/06/04メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る https://global.oup.com/academic/product/fictional-objects-9780198735595?cc=jp&lang=en& ちょっと前に出た虚構対象に関する論文集。フィ…

Brian Powell「ネーゲルの利他主義再訪」

philpapers.org Powell, Brian K. (2005). Revisiting Nagel on altruism. Philosophical Papers 34 (2):235-259. Possibility of Altruism作者: Thomas Nagel出版社/メーカー: Princeton Univ Pr発売日: 1979/03/01メディア: ペーパーバック購入: 1人 クリ…

マンガのアイロニー

at-akada.hatenablog.com アイロニーの話のつづき。前回はグレゴリー・カリーによる映画のアイロニーの話を紹介した。アイロニーとは変な(と語り手が思っている)態度やスタンスをするフリをしてみせることだった。特に言葉によるアイロニーではなく、映画表…

『鳥』とアイロニー

ヒッチコックの『鳥』を観た。 鳥 [DVD]出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル発売日: 2012/09/26メディア: DVDこの商品を含むブログ (12件) を見る 実は分析美学者であるグレゴリー・カリーの『物語と語り手』にこの作品を扱った章がある。この章は、…

スタンフォード哲学事典「直観」

Intuition (Stanford Encyclopedia of Philosophy) Joel Pust, Intuition - PhilPapers Pust, Joel (2012). Intuition. Stanford Encyclopedia of Philosophy. 直観に興味あるので読んだ。ここで言う直観というのは、思考実験などを検討する際に出てくる哲学…