読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Adam Vinueza「実在論と心からの独立性」

Vinueza, Adam (2001). Realism and mind independence. Pacific Philosophical Quarterly 82 (1):51–70. 序 解説 心への依存の2つのよさそうな分析 表象分析 応用 結論 実在論は、「存在するものは、心から独立している」(反対に心から独立していないものは…

David Velleman「信念の目的について」

Velleman, David (2000). On the aim of belief. In The Possibility of Practical Reason. Oxford University Press 244--81. すでに正月って感じでもないですが、おめでとうございます。新年なので信念の目的について考えていました。 序 真理志向性を研究…

Kit Fine「実在論の問い」

Kit Fine, The question of realism - PhilPapers Fine, Kit (2001). The question of realism. Philosophers' Imprint 1 (1):1-30. ファインon実在論。基づけの話を最初にはじめたのはこの論文ではなかったかな。 長くて大変だったが、実在論って何だよと悩…

書評 イェスパー・ユール『しかめっ面にさせるゲームは成功する』

しかめっ面にさせるゲームは成功する 悔しさをモチベーションに変えるゲームデザイン 一昔前の洋画のようなまったく意味のわからない邦題が付けられているが、原題はThe Art of Failure(失敗のアート)というもの。哲学(美学)的アプローチでゲーム研究に取り…

Springer Linkから無料でダウンロードできる本: 美学篇

Springer Linkで2004年以前の本がダウンロードできるようになっていました。 追記: ダウンロードできなくなってしまったようです。。 togetter.com 美学関係はそんなにないけれど、自分のメモがてらリストをつくります。あまり網羅的ではない。 Speaking of …

Shaun Nichols, Stephen Stich「フリの認知理論」

Stich, Stephen P. & Nichols, Shaun (2000). A cognitive theory of pretense. Cognition 74 (2):115-147. philpapers.org 序 例とフリの特徴 フリをはじめる: 初期仮定 推論による発展 非推論的発展 適切なフリ行動の生産 認知的隔離: フリ者の後続する認…

Peter Kulger「意味、カテゴリー、問い: ライルとともにドゥルーズを読む」

ドゥルーズとライル(!) Kügler, Peter (2011). Sense, Category, Questions: Reading Deleuze with Ryle. Deleuze Studies 5 (3):324-339. philpapers.org 目次 表示、顕示、意義、意味 カテゴリーと問い 意義の文脈的生産 著者は、この論文でドゥルーズの…

Kendall Walton「ソウトライティング - 詩と音楽における」

タイトルになっているthoughtwritingは訳せなかったのだけど、ウォルトンの造語にあたる。スピーチライティングのもじりだ。スピーチライティングが代筆だとすれば、代思とでもすべきかもしれない。 スピーチライター(代筆者)は、他の人が読みあげるための文…

ノエル・キャロル『映画の哲学』の「メディアの固有性」

The Philosophy of Motion Pictures (Foundations of the Philosophy of the Arts) 分析美学ブックガイドで紹介されていたので読んでみた。 私たちは時々「この映画は、映画にしかできないことをやっている。だから素晴らしいんだ」といったことを言う。反対…

キャラクター反実在論の文献

「フィクショナルキャラクターというものは存在しない」という立場を擁護する人たちの論文など。私は反実在論者じゃないけど、先日所用があってつくった。網羅的とは言えない。最近のもので目についたやつだけを入れている。あと実在論側からの反論の論文も…

Nurbay Irmak「ソフトウェアは抽象的人工物だ」

Irmak, Nurbay (2012). Software is an abstract artifact. Grazer Philosophische Studien 86 (1):55-72. Nurbay Irmak, Software is an abstract artifact - PhilPapers 存在論って二種類あって、 ひとつは、「物理的なものしか存在しない」みたいな偏狭な…

Thomas Nagel『利他主義の可能性』

Possibility of Altruism ネーゲルのデビュー作にして、(メタ)倫理学的行為論の出発点と言われる古典的著作。 10章くらいまで読んだのだが、よくわからなくなってきたので書き出してみる。 ネーゲルはこの本の中で、以下の2つを擁護している。 理由は根底的…

Kendall Walton「共感、想像、現象的概念」

In Other Shoes: Music, Metaphor, Empathy, Existence 『人の立場になって: 音楽、隠喩、共感、存在』(In Other Shoes)の1章。 共感(エンパシー)に想像はいらないよという内容。 共感は、しばしば、他人の心の状態をシミュレーションしてそれについて知るこ…

Timothy Williamson「哲学におけるモデル構築」

www.academia.edu http://www.philosophy.ox.ac.uk/__data/assets/pdf_file/0008/38393/Blackford.pdf [to appear in Russell Blackford and Damien Broderick (eds.), Philosophy’s Future: The Problem of Philosophical Progress. Oxford: Wiley] academi…

第二十一回文学フリマの宣伝

ギリギリになってしまいましたが、文学フリマの宣伝です! 第二十一回文学フリマ東京に参加します。 文学フリマ - 第二十一回文学フリマ東京 開催情報 サークル アーカイブ騎士団 開催日 015年11月23日(月祝) 開催時間 11:00~17:00 会場 東京流通センター…

Timothy Williamson『哲学の哲学』4章「分析性に関する認識論的捉え方」

The Philosophy of Philosophy (The Blackwell / Brown Lectures in Philosophy) 三章を読んでからだいぶ時間が経ってしまったが、四章も読んだ。 以前三章を扱ったときの記事は以下。 Timothy Williason『哲学の哲学』3章「分析性に関する形而上学的捉え方…

Tim Jankowiak「内包量の原理に関するカントの論証」

http://philpapers.org/rec/JANKAF Jankowiak, Tim (2013). Kant's Argument for the Principle of Intensive Magnitudes. Kantian Review 18 (3):387-412. カントの内包量のアイデアが変な世界観で好きなのでこれを読んだ。カントのことは何も知らないので…

移転しました

今さらですがはてなブログにしました。理由はOSのアップデートしたら今までつかっていたアプリがiOS9に対応しておらず携帯からはてなダイアリーの更新ができなくなったからです。まあはてなダイアリーつかってるかぎりあまりサポートものぞめなさそうだしい…

Gregory Currie「想像における欲求」

http://philpapers.org/rec/CURDII Currie, Gregory (2002). Desire in imagination. In Tamar S. Gendler & John Hawthorne (eds.), Conceivability and Possibility. Oxford University Press 201-221.Conceivability and Possibility目次 1. 想像のモード…

ウォルトンは感情の認知説をとっているのか?

フィクションのパラドックスとか、フィクション感情のパラドックスと呼ばれるパラドックスについて。 以下、チャールズはスライムにおそわれるホラー映画を見て、ぶるぶる震えているとしてほしい。通常、このパラドックスはチャールズについて以下の3条件が…

Kendall Walton「虚構性と想像」

In Other Shoes: Music, Metaphor, Empathy, Existence 上の論文集に入っているFictionality and Imaginationを読んだ。 この論文でウォルトンは、かつて提示した立場の一部を撤回している。わりと大事な論文だ。 ウォルトンはかつて『ごっこ遊びとしてのミ…

何故ただ一つの客観的世界だけが

意味の限界―『純粋理性批判』論考 ストローソンの『意味の限界』を読んでいる。 少し前に『純粋理性批判』を読んだので、せっかくなので読もうということで読んでいる。 この本の主たるプロジェクトは、『純粋理性批判』の議論を、カントの心理学的記述や当…

James Lenman「行為の理由: 正当化対説明」

Lenman, James (2010). Reasons for action: Justification vs. explanation. Stanford Encyclopedia of Philosophy. http://philpapers.org/rec/LENRFA-3 http://plato.stanford.edu/entries/reasons-just-vs-expl/ スタンフォード哲学事典の記事。5節で「…

Bernard Williams「内在的理由と外在的理由」

http://philpapers.org/rec/WILIAE-2 Williams, Bernard (1979). Internal and External Reasons. In Ross Harrison (ed.), Rational Action. Cambridge University Press 101-113.理由に関する内在主義を擁護し、外在的理由などというものはないという批判…

松永伸司「なにがおしゃれなのか」

vanitas004: ファッションの批評誌 ほぼTwitterからの転載だけど残しておく。ファッションの分析美学というのはあまりないのだけど、この論文はそれに取り組むもの。「かっこうがおしゃれだ」という場合のおしゃれ判断の特徴をあつかっている。タイトルもお…

Derek Parfit「理由と動機」

Parfit, Derek (1997). Reasons and motivation. Aristotelian Society Supplementary Volume 71 (1):99–130. http://philpapers.org/rec/PARRAMOn What Mattersも読んでるのだが、そっちよりは短くてわかりやすかったように思う。 理由に関する内在主義とは…

Graham Priest「哲学とは何か」

Priest, Graham (2006). What is philosophy? Philosophy 81 (2):189-207. http://philpapers.org/rec/PRIWIP-2プリーストによる、哲学とは何かの説明。ウィトゲンシュタインとデリダ(というかローティ)の哲学観を批判し、哲学は批判だという見解を擁護して…

Steinar Bøyum「哲学的経験の概念」

Bøyum, Steinar (2008). The concept of philosophical experience. Metaphilosophy 39 (3):265–281. http://philpapers.org/rec/BYUTCO目次 序 例をいくつか 美的主張 二次的意味 哲学的経験の訓育 著者によれば、宗教的経験というのがあるように哲学的経験…

Steven Arkonovich「さまざまな理由/動機内在主義」

Arkonovich, Steven (2013). Varieties of Reasons/Motives Internalism. Philosophy Compass 8 (3):210-219. http://philpapers.org/rec/ARKVORPhilosophy Compassの記事。理由と動機の内在主義のいくつかの定式化とその批判を検討する。目次 1. 背景 2. 考…

Olat Gjelsvik「合理的である理由はあるか?」

“Are there Reasons to be Rational”, in a Festschrift for W. Rabinowicz. (ed. By T. Rönnow-Rasmussen and others.), Lund 2007. http://www.fil.lu.se/hommageawlodek/site/papper/GjelsvikOlav.pdf 合理性はさまざまなことを私たちに課してくる。合理…

ウィリアムソンが紹介しているダメットの思い出がおもしろいので抜き出す

ウィリアムソンが戦後の分析哲学史を扱った以下の論文がある。この中でウィリアムソンは自分が在籍していた1970年代のオックスフォードの記憶について語っている。Timothy Williamson, How did we get here from there, http://www.philosophy.ox.ac.uk/__da…

Michael Dummet「実在論」

実在論対反実在論という対立がよくわかっていないので、読んで調べる。 真理という謎ダメットは実在論対反実在論というよくある対立を、数学の哲学におけるプラトニズムと直観主義の対立をもとに捉え直すよう提案している。ダメットの提案は、実在論対反実在…

Timothy Williason『哲学の哲学』3章「分析性に関する形而上学的捉え方」

The Philosophy of Philosophy (The Blackwell / Brown Lectures in Philosophy)以前読み飛ばした3章4章を読み直す。 多くの人は、哲学者が扱う問題は、概念や言葉に関わるものだと考えている。哲学は、概念的な真理を中核にもつものだと。この捉え方では、…

Dominic Lopes『コンピューターアートの哲学』

A Philosophy of Computer Art 今日ブックフェア「分析美学は加速する」で買った。まだ序文しか読んでいない。Lopesの本はいくつか読んだが、どれも素晴しいものなので期待している。 (傑作しか書かない人という印象をもっている) そもそもコンピューターア…

分析美学は加速するブックフェアで電子書籍が出てない洋書

ブックフェア「分析美学は加速する──美と芸術の哲学を駆けめぐるブックマップ最新版」 - 紀伊国屋書店新宿南店(2015年9月8日~10月25日)「分析美学は加速する」ブックフェアがはじまりました。私も今日閉店直前に行きましたがすごい加速度でGがやばかった…

Timothy Williamson『同一性と識別』

Identity and Discrimination ウィリアムソンのデビュー作を読んだ。基本的なアイディアはシンプルだが、同一性について悩むたびに繰り返し再読したくなるような内容だった。あと基本的には経験の質的同一性の話がメインなので、その辺に興味あれば楽しく読…

『分析美学基本論文集』の論文セレクトについて

分析美学基本論文集 『分析美学基本論文集』ついにでました! 分析美学という分野が認知され、ついに論文集まででたことは大変すばらしいことです。 訳者の方々の労力には頭の下がる思いです。 ただ、ちょっと論文セレクトについてはいろいろ言いたいことが…

Michael Dummett「存在、可能性、時間」

Dummett, Michael (1997). Existence, Possibility and Time. In Julian Nida-Rümelin & Georg Meggle (eds.), Analyomen 2, Volume I: Logic, Epistemology, Philosophy of Science. De Gruyter 43-67. http://philpapers.org/rec/DUMEPA 以前読んだエヴァ…

Aaron Smuts「サスペンスのパラドックス」

The Paradox of Suspense (Stanford Encyclopedia of Philosophy) 1. サスペンスのパラドックス 2. 思考された不確かさ 3. サスペンスについての欲求不充足説 4. 瞬間瞬間の忘却 5. 感情の取り違え 6. サスペンスと驚き 7. 要約 スタンフォード哲学事典の記…

差異は同一性に先立つか

まえおき 樫村晴香「ドゥルーズのどこが間違っているか?」を読んでいた。 なんかひさしぶりにフランス現代思想っぽいテキストを読んでいて思いついた疑問。 特に本論とそこまで関係ないのだが、ここには、ドゥルーズは同一性よりも差異を基本的なものとした…

R.M. Sainsbury『フィクションとフィクショナリズム』

少し前に読み終わって、これはいい本だなーと思うので紹介しておく。Fiction and Fictionalism (New Problems of Philosophy) 分析哲学でも、フィクションを巡る研究というのは非常に多様化していて、一人の著者がその全貌を紹介するというのはだんだん大変…

John W. Bender「敏感性、感性、美的実在論」

Bender, John W. (2001). Sensitivity, sensibility, and aesthetic realism. Journal of Aesthetics and Art Criticism 59 (1):73-83. http://philpapers.org/rec/BENSSA-2 1. 感性、基準、スーパーヴィーニエンス 2. 真の味覚(嗅覚)と知覚敏感性 3. 敏感性…

Seth Yalcin「認識様相」

http://philpapers.org/rec/YALEM Yalcin, Seth (2007). Epistemic Modals. Mind 116 (464):983-1026.「…かもしれない」など認識様相の意味論。 1. 問題 2. 認識的可能性の関係的意味論 3. 認識的可能性のドメイン意味論 4. 帰結 5. 内容とコミュニケーショ…

趣味述語/美的述語の意味論

一部で微妙に盛り上がっている「個人的趣味述語[predicate of personal taste]」の意味論。 これは「たのしい」「うれしい」「おいしい」などといった述語の意味論を扱う。 まとめておきたかったのでよく参照されるものをまとめる。趣味述語と関係ない相対…

Peter Lasersohn「相対的真理、話し手のコミットメント、暗黙の引数のコントロール」

http://philpapers.org/rec/LASRTS Lasersohn, Peter (2009). Relative truth, speaker commitment, and control of implicit arguments. Synthese 166 (2):359 - 374.相対主義による趣味述語の意味論のやつ。目次 1. 序: 相対主義と誤りなき不同意 2. 初歩…

デイヴィド・アンド・ステファニー・ルイス「穴」を売ってます

翻訳をnoteで売ってます。100円。楽しい対話編です。 よろしく。https://note.mu/at_akada/n/n22ee8e3b7551

Seth Yalcin「確率演算子」

philosophy compassの記事 自然言語の「おそらく」「かもしれない」など確率表現の意味論。主としてprobably(おそらく)の意味論だった。 http://philpapers.org/rec/YALPO Yalcin, Seth (2010). Probability Operators. Philosophy Compass 5 (11):916-37. 1…

相対主義と「完全な内容」

意味論的相対主義は、不完全な内容の概念を使うと思われている。 不完全な内容とは、例えば「時点によって異なる真偽をもつような命題」(時制主義の命題)とか「de se内容」とかそういったもののことだ。 ところが実はこれは本質的には必要ない。例えば「永久…

Kris McDaniel「延長した単純者」

http://philpapers.org/rec/MCDES McDaniel, Kris (2007). Extended simples. Philosophical Studies 133 (1):131 - 141. 1. 延長した単純者 2. 単純なものの形状 3. 延長と部分性 エクステンデッド・シンプルズ!!(かけ声) 延長した単純者とは、(真)部分を…

Gareth Evans「時制論理はまちがいにもとづくのか」

http://philpapers.org/rec/EVADTL Evans, Gareth (1985). Does tense logic rest on a mistake? In Collected Papers: Gareth Evans. Oxford: Clarendon Press. 343-363.有名なやつ。時制論理のような内包論理は一般に「xにおいて真」といったインデックス…