ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます……出ました!

あれもこれも紹介したいと思っているうちに発売日をすぎてしまった。何も書かないのもあれだなと思ったので、せめてこれまで書いたエントリのまとめなどあげておきます。余裕があればまた紹介記事も投稿します。 第一回: モンスターの作り方 第二回: 歴史的…

ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます(6) - 関連書の紹介

第一回 第二回 第三回 第四回 第五回 ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます。発売日は2022年9月24日です。 filmart.co.jp ユリイカ2022年9月号 特集=Jホラーの現在にも書いています。 www.seidosha.co.jp ついに表紙画像が出ました。ごくまれに…

ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます(5) - ホラーの定義

第一回 第二回 第三回 第四回 ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます。 filmart.co.jp ユリイカ2022年9月号 特集=Jホラーの現在にも書いています。 www.seidosha.co.jp 紹介 第一章のホラーの定義の箇所を紹介しようと思います。 ホラーの定義と…

ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます(4)

ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます。 filmart.co.jp ユリイカ2022年9月号 特集=Jホラーの現在にも書いています。 www.seidosha.co.jp 第一回 第二回 第三回 紹介 - 「ホラー」の世代差 短かい小ネタを書いた方が読む方も書く方も楽でいいだ…

Jホラーと怪談収集小説

『ユリイカ2022年9月号 特集=Jホラーの現在』が出たので、掲載した論考「Jホラーの何が心霊実話なのか?——実話怪談、ドキュメンタリー、心霊写真」の補遺的な話を書く。 ユリイカ2022年9月号 特集=Jホラーの現在 ―伝播する映画の恐怖―作者:高橋洋,大島清昭…

ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます(3)

第一回 第二回 ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます。 filmart.co.jp ユリイカ2022年9月号 特集=Jホラーの現在にも書いています。 www.seidosha.co.jp 紹介 - ホラーの詩学 断片的にいくつか紹介してきましたが、『ホラーの哲学』を、トータル…

ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます(2)

第一回 ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます(1) - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます。 filmart.co.jp ユリイカ2022年9月号 特集=Jホラーの現在にも書いています。 www.seidosha.co.jp 紹介 今…

ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます(1)

まえおき ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます。出版社の告知ページも出たので宣伝していきます。 filmart.co.jp たまたまタイミングが合って、ユリイカ2022年9月号 特集=Jホラーの現在にも書いています。 www.seidosha.co.jp このふたつの仕…

今年のベスト的な

例年、新しいものはあまり読んでいないのだが、今年は比較的新しいものを読んだ気がする(小説限定)。 2021年に出たもので良かったもの 6600万年の革命 (創元SF文庫)作者:ピーター・ワッツ東京創元社Amazon 爆弾魔: 続・新アラビア夜話作者:R・L・ステ…

『アーカイブ騎士団012 幽霊屋敷小説集』(第三十三回文学フリマ東京)

第三十三回文学フリマ東京に参加します。去年11月の文学フリマでは製本が間に合わずパイロット版としてコピー誌を出しましたが、そこにさらに何編かを追加した増補改訂版の『幽霊屋敷小説集』が出ます。 『幽霊屋敷小説集』表紙 項目 内容 開催日 2021年11月…

Greg Frost-Arnold「「分析哲学」の興隆: いつ、どのようにして人々は自らを「分析哲学者」と呼ぶようになったのか

Frost-Arnold, Greg (2017). The Rise of ‘Analytic Philosophy’: When and How Did People Begin Calling Themselves ‘Analytic Philosophers’? In Sandra Lapointe & Christopher Pincock (eds.), Innovations in the History of Analytical Philosophy. P…

フィクションの哲学のニューウェイブ: エイベルの『Fiction: A Philosophical Analysis』

Fiction: A Philosophical Analysis (English Edition)作者:Abell, Catharine発売日: 2020/06/10メディア: Kindle版 まえおき: フィクションの哲学の現状 最近出版されたキャサリン・エイベルのFiction: A Philosophical Analysisという著作を紹介したいのだ…

機械学習と理解は対立するか

(この記事は書きかけでしばらく放置していたのだが、何となく機運が高まったので、公開することにした) 理解とディープラーニングの対立? 現在は第三次AIブームということで、毎日のように、AIやディープラーニングに関連するニュースを耳にする──これはまあ…

SFマガジン2020年6月号

SFマガジン 2020年 06 月号発売日: 2020/05/25メディア: 雑誌 SFマガジン2020年6月号に掲載されていた短篇群がどれも良かった。 「英語圏の最近のSF短篇が載ってるのかー。紹介見るとおもしろそうな作品が多いので読むかなー」くらいの気持ちで読みはじめた…

「神経科学に触発された人工知能」

仕事の関係もあって、人工知能・ディープラーニングに関連する論文は結構読んでいるのだが、たまにはこのブログでも紹介しようかなと思ったので紹介することにする。と言っても、あまりに専門的なものはわかりやすく紹介できる自信がなかったので、比較的マ…

『失われた時を求めて』を読み終わった

ついに『失われた時を求めて』の最終巻である14巻を読み終わった。記録によると、2019年4月1日に1巻を読み終わっているので、およそ1年ちょっとの間、読みつづけていたらしい。ちなみに前半は光文社古典新訳文庫、後半は岩波文庫で読んだ(光文社版はまだ6巻…

『判断力批判』の謎

カントの『判断力批判』という本は主にふたつの事柄について論じている。美的判断と、自然に関する目的論的判断についてだ。 だが、ここには大きな謎がふたつある。 なぜ、『判断力批判』というタイトルの本で、判断一般についてではなく、このふたつの事柄…

Mark Windsor「不安な話」

Windsor, Mark (2019). Tales of Dread. Estetika 56 (1):65-86. 「テイルズ・オブ・ドレッド(不安な話)」(Tales of Dread)は、ジャンル名なのだが、英語でも特にジャンル名として定着しているわけではない。元はと言えば、ノエル・キャロルが『ホラーの哲学…

Kalle Puolakka「日常の中の小説」

Puolakka, Kalle (2019). Novels in the Everyday: An Aesthetic Investigation. Estetika 56 (2):206-222. 日常美学(エヴリデイエステティクス)の観点から、小説を読むことの経験を扱った美学論文。当然ながら、コンスタントに小説を読む読者にとって、読む…

Mark Okrent, Intending the Intender:あるいは、なぜハイデガーはデイヴィドソンではないのか

“Intending the Intender: Or Why Heidegger Isn’t Davidson,” in Heidegger, Authenticity, and Modernity: Papers Presented in Honor of Hubert Dreyfus, ed. M. Wrathall (Cambridge: M.I.T. Press, 2000). ハイデガーとデイヴィドソンを比較する論文。…

エドガー・アラン・ポー「アッシャー家の崩壊」

気軽に読んだ小説の感想などをもっと書いていきたいと思ったので書いていこう。 『「幽霊屋敷」の文化史』という本を読んでいたら、ポーの「アッシャー家の崩壊」の話が出てきて、そう言えば読んだ記憶がないなと思ったので読んだ。 「幽霊屋敷」の文化史 (…

アントン・フォード「行為と一般性」

Ford, Anton (2011). Action and generality. In Anton Ford, Jennifer Hornsby & Frederick Stoutland (eds.), Essays on Anscombe's Intention. Harvard University Press. この論文では、「行為は定義できない」という立場——より正確には「行為は、単なる…

ヴィクター・ラヴァル『ブラック・トムのバラード』

ブラック・トムのバラード (はじめて出逢う世界のおはなし―アメリカ編)作者:ラヴァル,ヴィクター発売日: 2019/12/02メディア: 単行本 たまに読んだ小説の感想を書こうと思う。 本作は、ラブクラフトの短篇小説「レッド・フックの怪」(または「レッド・フック…

今年のベスト的な

読書メーターで読んだ本、kinenoteで観た映画を記録しているので、振り返って印象に残ったものを記載してみる。大半は2019年に作られたものではない。 本 全滅領域 (サザーン・リーチ1)作者:ジェフ・ヴァンダミア出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2014/10/2…

The Cambridge History of Philosophy, 1945–2015が出た

The Cambridge History of Philosophy, 1945?2015 (English Edition)出版社/メーカー: Cambridge University Press発売日: 2019/11/21メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 以前から予告されており、個人的に待望していた The Cambridge History of…

『アーカイブ騎士団011 会計SF小説集』(第二十九回文学フリマ東京)

会計SF小説集 追記: kindle版も出ています。 第二十九文学フリマ東京に参加します。新刊『会計SF小説集』が出ます。小説アンソロジーです。 項目 内容 開催日 2019年11月24日(日) 場所 東京流通センター 第一展示場 サークル アーカイブ騎士団 ブース ク-1…

スタンフォード哲学事典のデータでword2vec

自然言語処理の領域で近年注目されている技術にword2vecというのがあります。 今日は、夏休みの自由研究として、スタンフォード哲学事典のデータを使って、word2vecを作ってみたいと思います。 人文系の領域でコンピューターを使った研究は、最近デジタル・…

苗村弘太郎「物語的説明モデルの原型としてのヘンペルモデル」

ネット公開されたということで、以下の論文を読んだ。なかなかおもしろい論文だったので紹介したい。 苗村弘太郎(2019)「物語的説明モデルの原型としてのヘンペルモデル」『科学哲学科学史研究』第13号 https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handl…

ツヴェタン・トドロフ「探偵物語の類型学」

Poetics of Prose: Literary Essays from Lermontov to Calvino (English Edition)作者: Mark Axelrod出版社/メーカー: Palgrave Macmillan発売日: 2016/10/03メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る Tzvetan Todorov(1977) The Typology of Detectiv…

Kathleen Stock, Only Imagineを読んだ

Only Imagine - Kathleen Stock - Oxford University Press Only Imagine: Fiction, Interpretation, and Imagination作者: Kathleen Stock出版社/メーカー: Oxford Univ Pr発売日: 2017/11/07メディア: ハードカバーこの商品を含むブログを見る 第一回はこ…