http://philpapers.org/rec/GOLNTE
Goldie, Peter (2009). Narrative Thinking, Emotion, and Planning. Journal of Aesthetics and Art Criticism 67 (1):97-106.
おもしろかったのだが、あまりうまくまとめられない。
目次
- 1. 非現実のエピソードと物語的思考
- 2. 感情的重要性
- 3. 物語的思考と計画
- 4. 物語的思考、計画、行為者性
私たちは様々な意味で非現実の出来事について考える。過去、未来、そうであったかもしれない可能性。
Goldieはここで物語としての思考、自分について物語を通して考えることに着目している。
Goldieは3つ例をあげている。
例えば運転している時に、車がスリップするところを想像して恐怖する。この例では、外的な語り手としての自分と、内的な行為者としての自分の感情は一致している。
会社で公然とばかにされ、そのときは恥しかっただけだが、後になって考えてみて、不当な扱いを受けたと思って怒る。この場合内的な行為者としての自分と、外的な語り手としての自分の感情は食い違っている。振り返って考えた時に、その時には無かった新たな視点を付け加えている。
あるいはシャワーを浴びていたために、大事な電車を乗り過してしまい、あの時シャワーを浴びていなければと思う。この場合も、出来事を回顧的に振り返ることで外的な意味づけを付与している。
物語的思考はこのように、反事実的な状況を考えて自己を反省するために用いられる。
Goldieはこれをブラットマンの行為者性の分析と結びつけている。
ブラットマンによれば、行為者であるためには、単に欲求を持つだけではだめで、どういう欲求を持ちたいかという高階のポリシーを持たなければならない。Goldieによれば、こうした自己統制的なポリシーは自己の行為を振り返って、物語的に思考することと密接に結びついている。
まあ単純な話、反省して振り返ったりすることで、自己に対するポリシーをつくり直したりするよねって感じのことのようだ。