2014-01-01から1年間の記事一覧

Kit Fine「非存在者の問題」

http://philpapers.org/rec/FINTPO-3 Fine, Kit (1982). The problem of non-existents. Topoi 1 (1-2):97-140.2段組で44ページあって大変だったが読んだ。大変だったが読んでよかったなと思えた論文。 非存在者とは、フィクショナルキャラクターや神話や誤…

Francesco Berto「様相的マイノング主義とフィクション: 三つの世界で最善のもの」

http://philpapers.org/rec/BERMMA Berto, Francesco (2011). Modal meinongianism and fiction: The best of three worlds. Philosophical Studies 152 (3):313-35. 1. フィクションの方法論: 最小の修正と受容の制約 2. 内的言説と外的言説 3. 素朴マイノ…

瀧川、宇佐美、大屋『法哲学』

法哲学 頂いたのでパラパラ見ていた。 第1部 正義論 Chapter 01 功利主義 Chapter 02 正 義 Chapter 03 自 由 Chapter 04 平 等 Chapter 05 権 利 Chapter 06 正義論の最前線 第2部 法概念論 Chapter 07 ルールとしての法 Chapter 08 法の価値 Chapter 09 …

gnck「画像の問題系 演算性の美学」

合評会があるらしいので読んだ。行けなくなりそうなので、ここに感想などを描く。 第15回 『美術手帖』芸術評論募集 KoSAC「画像の問題系 演算性の美学」合評会 - 凸と凹の間 とりあえず、課題としてこういうことが行われているのだろうと理解したことを描く…

Amie Thomasson「存在の問い」

近年アミ・トマソンはカンタン存在論[easy ontlogy]と呼ばれる立場を唱えていて、精力的に擁護論文を書いている。いくつか読んだ。 http://philpapers.org/rec/THOEQ Thomasson, Amie L. (2008). Existence questions. Philosophical Studies 141 (1):63 - 7…

Derek Matravers『フィクションと物語』のウォルトン論

Fiction and Narrative今年の7月に出た本。最近読んでいるが、二章のウォルトン論はいい感じなのでまとめておく。 ウォルトンは、フィクションについて、メイクビリーブ理論と呼ばれる理論を立てている。これは、子どものごっこ遊び[make-believe]をモデルに…

Joel Isaac「ドナルド・デイヴィドソンとアメリカにおける分析的革命、1940-1970」

先日朝日カルチャーセンターの以下の講義に参加した。 朝日カルチャーセンター新宿:酒井泰斗「独学者のための社会学入門」(全2回) - 日曜社会学>社会学的告知 - 日曜社会学>社会学的告知 内容はネットに書いてはいけないことになっているので特に触れ…

Anthony Everett「フィクション実在論に反対」

http://philpapers.org/rec/EVEAFR Everett, Anthony (2005). Against Fictional Realism. Journal of Philosophy 102 (12):624 - 649.フィクショナルキャラクターは存在するという立場への反論。 われわれはフィクショナルキャラクターについて、文字通りの…

John MacFarlane「主張とは何か」

またマクファーレン読んでた。これは主張という発語内行為は何をやっているのかという問題を扱うもの。 http://philpapers.org/rec/MACWIA-2 MacFarlane, John (2011). What Is Assertion? In Jessica Brown & Herman Cappelen (eds.), Assertion. Oup Oxfor…

John MacFarlane「非指標的文脈主義」

http://philpapers.org/rec/MACNC MacFarlane, John (2009). Nonindexical contextualism. Synthese 166 (2):231--250.これまで、文脈主義と、指標的な文脈主義が混同されてきた。しかし、文脈主義には非指標的文脈主義もあるよという論文。 ↓ちなみに、この…

Stacie Friend「偉大なカブト虫の論争: 名前による想像の研究」

http://philpapers.org/rec/FRITGB Friend, Stacie (2011). The great beetle debate: A study in imagining with names. *Philosophical Studies* 153 (2):183-211. 1. 想像の指図 2. 標準的説明 3. 単称的想像 4. 想像の方法 5. 概念とその対象 6. ネット…

Andrew Kania「虚構の語り手の遍在に反対」

http://philpapers.org/rec/KANATU Kania, Andrew (2005). Against the ubiquity of fictional narrators. Journal of Aesthetics and Art Criticism 63 (1):47–54.すべてのフィクション作品には虚構の語り手がいるというテーゼ(遍在テーゼ)への批判。 直接…

Jaegwon Kim「説明的知識と形而上学的依存」

説明と理解について勉強するコーナー。これは比較的わかりやすかった。http://philpapers.org/rec/KIMEKA Kim, Jaegwon (1994). Explanatory knowledge and metaphysical dependence. Philosophical Issues 5:51-69.ある出来事eが起きた時、説明はそれがなぜ…

David Davies「ウィルソンの『捉えにくい語り手』を追い払う」

http://philpapers.org/rec/DAVEWE Davies, David (2010). Eluding Wilson's “elusive narrators”. Philosophical Studies 147 (3):387 - 394. ウィルソンに反論している論文。 ウィルソンの論文については↓ George Wilson「文学と映画の捉えにくい語り手」 …

『アーカイブ騎士団006 恋愛SF小説集』kindleでも発売中

恋愛SF小説集 アーカイブ騎士団006 恋愛SF小説集kindle版も出てるのでよろしくお願いします! ↓内容は以下などで 第19回文学フリマの宣伝 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ ↓以下は当日配布したペーパー「一行小説集」です。

George Wilson「文学と映画の捉えにくい語り手」

http://philpapers.org/rec/WILENI Wilson, George M. (2007). Elusive narrators in literature and film. Philosophical Studies 135 (1):73 - 88.物語の語り手に関するもの。一応タイトルには映画も入っているが、文学の話がメインだった。 虚構の物語に…

第19回文学フリマの宣伝

→kindle版も出てます 『アーカイブ騎士団006 恋愛SF小説集』kindleでも発売中 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ 『アーカイブ騎士団006 恋愛SF小説集』 https://c.bunfree.net/p/bunfree19/2082 2014年11月24日 第十九回文学フリマ イ-65 東京流通センター…

John MacFarlane「相対主義」

John MacFarlane, “Relativism”, in The Routledge Companion to the Philosophy of Language, ed. Delia Graff Fara and Gillian Russell (New York: Routledge, 2012), 132-142. http://johnmacfarlane.net/relativism-routledge.pdf 意味論的相対主義に興…

Hopkinsのアウトラインシェイプの定義

ジョン・カルヴィッキ『イメージ』(John V. KULVICKI "Images")前半(1〜5章) - logical cypher scape 描写の哲学の仕事が紹介されるのはよいことだ。描写の哲学は、美学のなかでもここ十年くらいですごく発達した分野だし、例えば表象文化論などをやっ…

科学哲学会「ストーリーはどのような存在者なのか」の発表資料

アップロードしました。スライドなのでこれだけ読んでもよくわからないかもしれないですが一応。 https://dl.dropboxusercontent.com/u/140037/takada-2014-pssj.pdf

科学哲学会発表の宣伝: ストーリーはどのような存在者なのか?

日本科学哲学会第45回大会での発表について宣伝します。11/15(土) 午前の部です。会場は南山大学名古屋キャンパスとなります。詳しくは、科学哲学会の公式サイトを日本科学哲学会 以下内容の紹介。 近年分析美学の世界では物語の哲学が盛り上がっている。200…

Alberto Voltolini「フィクショナルキャラクターの間作品的「同一性」と作品*内同一性」

http://philpapers.org/rec/VOLCIA-2 Voltolini, Alberto (2012). Crossworks ‘Identity’ and Intrawork* Identity of a Fictional Character. Revue Internationale de Philosophie 66:561-576.某氏が以前、フランスの分析哲学雑誌のフィクションの哲学特集…

アミ・トマソンの立場の変更点

トマソンは1999年の著作Fiction and Metaphysicsでフィクショナルキャラクターに関する抽象的人工物説を提示したが、その後2003年の論文Speaking of fictional charactersで微妙に立場をアップデートしている。変えたというか、はっきりどちらを取るとは言っ…

Daniel Z. Korman「抽象的人工物説に反対する曖昧性からの議論」

http://philpapers.org/rec/KORTVA Korman, Daniel Z. (2014). The vagueness argument against abstract artifacts. Philosophical Studies 167 (1):57-71.サイダーの曖昧性からの議論はオーバーキルで、抽象的人工物説も殺してしまうという批判。曖昧性か…

ピーター・ラマルク『物語の不透明性』

The Opacity of Narrative http://philpapers.org/rec/LAMTOO-3 Lamarque, Peter (2014). The Opacity of Narrative. Rowman & Littlefield International.少し前にラマルクの『物語の不透明性』を読み終わった。読んだけど難しくて議論がつかめないので一部…

Michael Jacovides「複合的出来事としての経験」

http://philpapers.org/rec/JACEAC Jacovides, Michael (2010). Experiences as complex events. Southern Journal of Philosophy 48 (2):141-159. http://web.ics.purdue.edu/~mjacovid/Experience.pdf 1. 構成要素 1.1 出来事としての経験 1.2 経験の主体 …

出来事の本質は過去に延びる

Jonathan Bennet『出来事とその名前』を読んでいる。 Events and Their Names pp.69-72の出来事因果に関する時間の非対称性の話がおもしろかったのでまとめる。 あるメッセージの到着が、パーティの終わりの時間を変えたとしよう。 この時、私たちは、メッセ…

[emotion]ノエル・キャロル「恐怖への恐怖: ハロウィンの哲学」

http://philpapers.org/rec/CARTFO-21 Carroll, Noël (2006). The fear of fear itself: The philosophy of halloween. In Richard Greene & K. Silem Mohammed (eds.), The Undead and Philosophy. Open Court. 223--36. Zombies, Vampires, and Philosophy…

[ethics][lang] Niko Kolodny, John MacFahlane「もしとべき」

この間Google Scholarで哲学の主要雑誌で引用数が100を越えている論文を調べてみた。 哲学誌のランキング - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ それを読んでいくコーナー。ちなみに引用数が100を越えてるものは十個もなかったんだけど、マクファーレンが2つも…

[fiction] Manuel Vargas「デッド・シリアス: 不死者の悪と存在論」

ハロウィンなのでこの論文集を読む。ゾンビとバンパイアに関する哲学論文集。 とりあえず一つ読んだ。 Zombies, Vampires, and Philosophy: New Life for the Undead (Popular Culture and Philosophy)http://philpapers.org/rec/VARDSE http://www.usfca.ed…