2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

哲学とポップカルチャーの解釈

以下の本『哲学とポップカルチャーの解釈』の紹介と軽くポップカルチャーと哲学の話。 Philosophy And the Interpretation of Pop Culture この本とは別なんだけど、英語で「ポップカルチャーと哲学」というシリーズが出ている。 http://www.opencourtbooks.…

Jonathan Ichikawa『想像と認識論』3章「思考実験の直観と想像」

Jonathan Ichikawaの博論をちょっとずつ読んでいる。 以前読んだ思考実験と「フィクションにおける真」の話がもう少し詳細に書かれていたので軽くまとめておく。難しかったので一部だけ。 https://rucore.libraries.rutgers.edu/rutgers-lib/24569/ 以前のエ…

Paul J. Silvia『たくさん書く方法』

How to Write a Lot: A Practical Guide to Productive Academic Writing心理学者が主として同僚の心理学者に向けて書いた生産的な書き手になる方法だが、普通にどの分野の人でも役立つだろう。 以下に紹介あり。 心理学者が教える少しの努力で大作を書く/…

Alessandro Giovannelli「物語のキャラクターに共感的であること」

sympathyとempathyの訳語に迷うんだけど、ここではsympathyを「共感」、empathyを「感情移入」にする。 定訳では、sympathyを「同情」、empathyを「共感」とするのが多いみたいだけど、「同情」だとネガティブなときにしか使えない感じがするのでちょっと。s…

哲学的意義とは何か

まえおき 哲学的意義の話をするとっかかりはいろいろとある。とりあえず、妥当性との違いから話をはじめよう。 哲学者はよく、哲学のアーギュメントが妥当かどうかということを気にする。ちゃんと結論をサポートする理由をあげることができているか。例は妥…

Paisley Livingston「物語性と知識」

あまりまとめても仕方ないタイプの論文だけど、まあまとめる。 http://philpapers.org/rec/LIVNAK Livingston, Paisley (2009). Narrativity and Knowledge. Journal of Aesthetics and Art Criticism 67 (1):25-36. 1. 物語の長所と短所 2. 物語と物語性の…

Bence Nanay「物語的図像」

narrative pictureは美術史の用語らしいが日本語で何と訳すのかはわからなかったので物語的図像にしておく。ちなみに、日本の絵巻物は英語でnarrative picture scrollと訳すらしい。 http://philpapers.org/rec/NANNP Nanay, Bence (2009). Narrative Pictur…

Ben Bradley, Kris McDaniel「死と欲望」

http://krmcdani.mysite.syr.edu/deadesir.pdf Ben Bradley and Kris McDaniel, 2013. "Death and Desires", in James S. Taylor (ed.), The Metaphysics and Ethics of Death The Metaphysics and Ethics of Death: New Essaysあいかわらずシャープな論文を…

Gregory Currie「美学をするために安楽椅子の外に出ることについて」

Philosophical Methodology: The Armchair or the Laboratory? Currie, Gregory, 2013, On getting out of the armchair to do aesthetics', in M. Haug (ed) Philosophical Methodology: The Armchair or the Laboratory? Routledge. 美学的直観 芸術と知識…

Aaron Smuts「ストーリーの同一性とストーリーのタイプ」

ストーリーの同一性について。これ結構おもしろい問題かもしれない。 http://philpapers.org/rec/SMUQIA Smuts, Aaron (2009). Story Identity and Story Type. Journal of Aesthetics and Art Criticism 67 (1):5-14. 1. 序 2. 基本的なジレンマ 3. 誤った…

Galen Strawson「物語性に反対」

物語的な自己とか、物語的な人生とかいらんやろという論文。ちなみこの人は日常言語学派の有名なP.F.ストローソンではなく、その息子。 http://philpapers.org/rec/STRAN Strawson, Galen (2004). Against narrativity. Ratio 17 (4):428-452. 節タイトルは…

Antti Kauppinen「意味があることと時間」

http://philpapers.org/rec/KAUMAT Kauppinen, Antti (2012). Meaningfulness and Time. Philosophy and Phenomenological Research 84 (2):345-377.人生の物語的構造と人生の意味に関する文献。人生の意味に関する文献だと「物語」はマジックワードになりが…

有馬斉「人の生死の科学的客観性を支える二つの形而上学的な前提について 」

http://ir.library.osaka-u.ac.jp/dspace/handle/11094/6562サーベイ的な内容だけど、これはなかなかよかった。哲学論文って、なぜこれが哲学の問題になるかをそのつど示さなければならないところがあるが、その部分が非常にスムーズだった。文章がとても読…

Noel Carroll「物語的閉合」

心理学用語のclosureは「閉合」が定訳のようなのでそれに合わせる。 Carroll, Noel (2007). Narrative closure. Philosophical Studies 135 (1):1 - 15. http://philpapers.org/rec/CARNC 物語的閉合[narrative closure]とは、物語のまとまりのことだ。物語…

Timothy Williamson『哲学の哲学』

The Philosophy of Philosophy (The Blackwell / Brown Lectures in Philosophy)過去記事 Timothy Williamson『哲学の哲学』5章 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ Timoty Williamson『哲学の哲学』6章「思考実験」 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ Will…

Gregory Currie『物語と語り手』

Narratives and Narrators: A Philosophy of Stories目次 1. 表象 Representation 2. 物語の内容 The content of narrative 3. 物語の二つの見方 Two ways of looking at a narrative 4. 著者と物語 Authors and narrators 5. 表出と模倣 Expression and imi…

Timothy Williamson『哲学の哲学』7章「哲学における証拠」

7章のまとめ。 The Philosophy of Philosophy (The Blackwell / Brown Lectures in Philosophy)まとめてない章もあるが、とりあえず一通り読めた。 過去記事 Timothy Williamson『哲学の哲学』5章 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ Timoty Williamson『哲…

Perfit「なぜ何かが? なぜこれが?」のレジメ

以前読んでいたParfit, Why Anything? Why This?のレジメもついでに公開。 Parfit, Derek (1998). “Why Anithing? Why this?”. London Review of Books 20 (2): pp. 24-27. https://docs.google.com/document/d/1hyFa9T0ji_y9kHgynEjC-KWIjxMJzKMjEquK5bPeqJ…

Williamson『哲学の哲学』5章「形而上学的様相」のレジメ

前記事がなぜか100ブクマ越えてびっくりした。みんなそんなに哲学に興味あったのか? さっさと流したいので先日読書会で使ったレジメを公開する。 以下の記事で要約した5章のレジメ。 Timothy Williamson『哲学の哲学』5章 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ…

哲学の初学者にありがちな間違い

哲学の初学者にありがちな間違いのひとつをこの間思いついたので記しておく。哲学の場合、初学者ほど他の哲学者が素朴に見えるという現象がある気がしている。 例えば、プロの哲学者が何らかの原理Xみたいな前提を使うとしよう。 しかし初学者にはなんでこの…