2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

Donald Baxter「緩やかな同一性と他のものになること」

http://philpapers.org/rec/BAXLIA Baxter, Donald L. M. (2001). Loose identity and becoming something else. No〓s 35 (4):592–601. 私たちはいろんなものを「同じである」と見なす。例えば、今日大阪を襲ったのと同じ台風が明日東京に到来すると言うこ…

Amie Thomasson「現象学と日常言語の哲学における概念分析」

Thomassonがこんな論文を書いていたので読んでみた。 http://philpapers.org/rec/THOCAI Thomasson, Amie L. (2007). 15 Conceptual analysis in phenomenology and ordinary language philosophy. In Micahel Beaney (ed.), The Analytic Turn. Routledge. …

Jonathan Bennet「出来事とは何か」

最近出来事関係の論文を読んでいて、出来事の再記述を認めるかどうかという対立がひっかかってきている。私にはあまりこの対立が深い対立であるとは思えなくて、出来事の再記述を認めないキムなどの立場でも、ほんのわずか修正するだけで、出来事の再記述を…

Henry John Pratt「マンガにおける物語」

マンガにおける物語について、文字、絵、コマから分析している。それほど新しいことを言っているわけでもないが、まとまっている。 時間が経過するコマ継起と時間が経過しないコマ継起があるというのは、前に書いた前景/背景の話とも関連しそうなので、文章…

Currie『物語と語り手』1章の人生はストーリーではない論証

Narratives and Narrators: A Philosophy of Stories 1章4節の「自然の物語?」の箇所。 読み返していて、気になったのでまとめる。Currieはここで物語としての人生という議論を批判している。 物語としての人生の支持者によれば、人が人であるためには物語…

物語における前景/背景

言語学系の物語研究がそこそこあることに気づいたので少しお勉強。 以下はおもしろかった。多分美学や文学の人が読んでもおもしろいと思う。 浜田秀「物語の四層構造」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcss/8/4/8_4_319/_article/-char/ja/ 浜田秀「…

スタンフォード哲学事典「因果の形而上学」

【日記】最近は話題のアイドルマスターSideMにはまっています。推しは山下次郎と天道輝と神谷幸広です。 ちなみに私は移動時間や休憩時間など、生活の隙間時間を論文読みに当てているため、研究時間は仕事や余暇とは衝突しないのですが、アイドルマスターSid…

Barbara Herrnstein Smith「物語のバージョン、物語論」

http://philpapers.org/rec/SMINVN-2 Smith, Barbara Herrnstein (1980). Narrative Versions, Narrative Theories. Critical Inquiry 7 (1):213.著者は文学理論の人かな。言説とストーリーの区別を批判している。直接批判されているのは、チャトマン。 1. …

Ismay Barwell「物語を理解することと物語的な理解」

http://philpapers.org/rec/BARUNA Barwell, Ismay (2009). Understanding Narratives and Narrative Understanding. Journal of Aesthetics and Art Criticism 67 (1):49-59. 7/11 http://as.wiley.com/WileyCDA/WileyTitle/productCd-140519457X.html 1. …

Daniel Dohrn「反事実的な物語的説明」

http://philpapers.org/rec/DOHCNE Dohrn, Daniel (2009). Counterfactual Narrative Explanation. Journal of Aesthetics and Art Criticism 67 (1):37-47. 1. 説明 2. 文学の認識論的背景 3. 物語的説明 4. 文学における真理 5. 問題点 やばい、何を言って…

Nicholas Diehl「De Re的想像と語りについての対称性テーゼ」

以下の本に入ってる論文を順番に読んでるのだけど、これで何本目かな。 The Poetics, Aesthetics, and Philosophy of Narrative (Journal of Aesthetics and Art Criticism)http://philpapers.org/rec/DIEIRT Diehl, Nicholas (2009). Imagining De Re and t…

W.R.Carter「貫世界的な出来事の同一性」

タイトル見て、「すごい! こんなテーマで論文が!」と思ったら、他の人の同一性基準を批判してるだけで、自分で同一性基準を出してるわけじゃなかった。 http://philpapers.org/rec/CAROTE Carter, W. R. (1979). On transworld event identity. Philosophi…

Noel Carroll「物語的連結について」

Beyond Aesthetics: Philosophical Essays Carroll, Noel, 2001, On the narrative connection 1. 物語的連結を定義する 2. 反論 3. 物語の理解 物語的連結は物語の主要な構成要素であるとされる。物語的連結は、二つの出来事の関係である。キャロルによれば…

David Lewis「出来事」

これは難しかった。http://philpapers.org/rec/LEWE Lewis, David (1986). Events. In , Philosophical Papers Vol. II. OUP. 241-269. Philosophical Papers 1. 序 2. 出来事は時空領域の性質である 3. 出来事は本質的にも偶然的にも記述される 4. 出来事は…

JSTORの年間パスを買ってみた

JSTORの年間パス買ってみたよ。 http://jpass.jstor.org/ 個人で論文を買うと、一本15ドルから30ドルくらいで非常に高い。我慢して必要なものは買ってたんだけど、よく考えると年間パスの方がお得そうだ。 年199ドルで365日120ダウンロードまで。 だいたい年…

Amie Thomasson『フィクションと形而上学』のキャラクター同一性の基準

五章のキャラクターの同一性基準の話をまとめておく。 ここではキャラクターの同一性に加え、めずらしく間テキスト的なキャラクターの同一性が議論されている。パロディや二次創作におけるキャラクターの同一性も問題になっている。 Amie Thomasson, Fiction…