Ismay Barwell「物語を理解することと物語的な理解」

http://philpapers.org/rec/BARUNA
Barwell, Ismay (2009). Understanding Narratives and Narrative Understanding. Journal of Aesthetics and Art Criticism 67 (1):49-59.
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http://as.wiley.com/WileyCDA/WileyTitle/productCd-140519457X.html

  • 1. はじめ
  • 2. 途中
  • 3. 結末

(意味のない節タイトルつけやがって……)


物語の定義に、出来事の因果関係を表象することだけではなく、評価を与えることも含めようと提案している。
Barwellによれば、物語は複数の出来事を理解可能な全体として表象するもので、理解可能にすることの中には、因果関係による説明だけでなく評価も含まれる。


例えば、旅の途中で出会った連れが死んでしまったという物語について、「これは(語り手にとって)悪いことだ」ということを物語は提示する。物語は出来事に対する評価も提示するのだ。
ここで評価は、構成関係と合理化関係によって分析されている。構成関係は、「二人の歌と同意が、結婚の約束を構成する」とかそういうものが想定されている。手を上げることによってタクシーを止める、発話することで契約するなど。
合理化関係と呼ばれているのは、理由関係のことで、特定の心的状態(欲求など)が行為の理由を与えるという関係が想定されている。「暑くてアイスが食べたくなったので、アイスを買いに行った」など。
物語は、構成関係や合理化関係を提示することで、出来事に対する評価も提示する。
Barwellによれば、因果関係がないけど物語っぽく見える例は評価の例らしい。