人生の意味
読書会で人生の意味に関するものを読もうかと思ったが、何を読むか迷う。
- Metz, Thaddeus, "The Meaning of Life"
http://plato.stanford.edu/entries/life-meaning/
とりあえず参考文献一覧としてパラパラと。
- Schmidtz, David, "The Meaning of Life"
http://www.davidschmidtz.com/perch/resources/meaning.pdf
すごく変な論文で、途中で、「僕が妻とはじめて会ったのはー」みたいな話がとつぜん入ってきたりする。おもしろいけど、ちょっとなあ。
- 村山達也「人生の意味について : 問いの分析の観点から」
http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00150430-00000113-0069
これは参考になった。人生の意味といったときの「意味」の意味を、3通りに分類して解説している。
- Fischer, "Our Stories"
Our Stories: Essays on Life, Death, and Free Will
- 作者: John Martin Fischer
- 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr (Txt)
- 発売日: 2011/01/14
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 2人 クリック: 13回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
- 自由な行為の価値は、自己表現の価値である
- 自由な行為は、芸術的な活動である
などの主張をもとに、自由意志、死、人生などの問題を扱うFischerさん。
上の主張だけ見ると突飛なことを言ってそうな感じだが、よく考えられており、簡単に反論はできなさそう(まだそんなに読んでないけど)。
とりあえず最後の「物語と人生の意味」だけ読んでみよう。
しかし個人的には、人生の意味というのは、目的論的なものであるという直観があって、この人のいうような人生を物語として見た美的側面のようなものは、あるかもしれないが、人生の意味とは別ではないかというように思う。
まだあんまり考えられていないのだが、ひとまずの前理論的把握として、わたしは「人生の意味」を以下のように捉えている
- 「人生の意味」といったときの「意味」という語は、「その行動は意味がないよ」などと言う場合の「意味」という語に似ており、特定の目的に照らして、手段としての貢献があることを述べている、のではないか
- ただし、人生のなかの個々の行為とは異なり、人生全体を評価する際の「目的」はそれに応じた特殊なものである
- 典型的には、神や人類普遍の理想などといった個々人の人生を超えた大きな目標がそれだろう
- われわれが「誰某の人生には意味があったか」と問うとき、誰某自身やわれわれがコミットしている目標に照らして、誰某の人生を一種の手段として評価する
- 「人生の意味」はいわゆる幸福とは異なっており、「意味がなくて幸福な人生」も「意味があって不幸な人生」もある
- 「人生の意味がない」は「死んでもよい」を意味しない。むしろ大半の人生は意味がないが、生きる価値のあるものだろうと思う
あ、あと関係ないけど、Fischerのこの本には、いろいろなSFにおける不死の形態を分類した論文?が載っていて、これはかなりおもしろそう。