読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Joshua Seachris「物語としての人生の意味」

Seachris, Joshua (2009). The Meaning of Life as Narrative. Philo 12 (1):5-23.
http://philpapers.org/rec/SEATMO-4

  • 1. 序
  • 2. 問いの解釈: 混合説
  • 3. 物語的解釈: 文献からのヒント
  • 4. 物語としての人生の意味
    • a. 物語論から借りる
    • b. 「xの意味は何か?」話法の非言語的指示物
    • c. 物語的解釈: アナロジー
    • d. 物語的解釈の特徴付け
  • 5. 混合説に対する物語的解釈のよい点
  • 6. 物語的解釈の広い哲学的見返り
  • 7. 要約

人生の意味に関しては、何が人生の意味を与えるかという実質的な問題以前に、「そもそも『人生の意味は何か?』という問いは何を問うているのか」という問題がある。これに対する現在主流の(というほど支持者がいるか知らないが)答えは、「人生の意味」は曖昧な語であって、「人生の目的は何か?」「何が人生に価値を与えるのか?」「何が人生を意義のあるものにするのか?」など複数の意味があるというものだ(混合説)。
これに対し、Seachrisは、「人生の意味は何か?」という問いには統一した意味があり、これは物語的説明を求めているのだという立場を擁護している。
例えば子どもたちがケンカをしていて、お父さんが「この意味は何だ?」と考えるとき、お父さんが求めているのは、子どもたちがどのようにしてケンカをするにいたったかという説明である。こうした疑問は通常、物語的説明を与えることによって答えられる。物語は当の出来事や行為にいたるまでの経緯を説明することで、当の出来事を理解可能にする。


こっからよくわからないんだけど、Seachrisによれば人生の意味の物語は以下のような事実と問いによって構成され、私たちはさらにこれを説明してくれる物語を探し求めなければならない。物語ならなんでもよいわけではなく、かなり特定の形のものを想定しているようだ。
ちなみにSeachrisはthe人生の意味(これはただ一つしかない)と、人生を意味あるものにするものを分けていて、前者を問題にしている。the人生の意味は、特定の形式的特徴を満たす物語でなければならないということらしい。しかも人生の意味の物語は、以下をすべて説明する形而上学的ストーリーを与え、その上で真でなければならないらしい。

  • 1. 何かが存在する。私たちは存在する。私は存在する。なぜ何かが存在するのか? なぜ私たちは存在するのか?なぜ私は存在するのか?
  • 2. 人生に目的はあるか? あるとすればその本質と源泉は何か?
  • 3. 私たちは人生の中で、しばしば価値があると考えた追求やプロジェクトに従事する。この追求やプロジェクトの価値は他のものによって基礎づけられるか? そうだとすれば、何に基礎づけられるか?
  • 4. 苦痛と苦しみは宇宙の一部である。なぜか?
  • 5. これらすべてはどのように終わるのか? 死は最終的なものか? この世界の病理に対して終末論的な救済はあるか?


まあthe人生の意味みたいなものがあるというのはわかるような気はする。普通人生の意味ということで、スピリチュアルな本に書いてあるのは上記のようなことであるし。「なぜ何も無いのではなく、何かがあるのか」という問題と人生の意味はたまに関連づけられるが、その時は上のようなことが考えられているのかもしれない。現代形而上学ではほとんど失われているが、形而上学というのは、古典的にはこういうことを担うのかもしれない。
ただ上記すべてを説明し、かつ生き方を導くような真なる説明を与えるのはほとんど無理な気もするが……。
まあ人生の意味を簡単に知ることができないというのは当然である気もする。

余談

生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答えってあるけど、the Answer to the Ultimate Question of Life, the Universe, and Everythingの訳なんだけど、多分「生命」とするのは誤訳で、人生、宇宙、そして万物についての究極の疑問の方がよいと思う。
確か、作中でその答えが広く知られてしまったためにカウンセラーがみんな職を失なうという話があったんだけど、「人生」の答えがみんなに知られてしまったからカウンセラーが職を失なったということじゃないと意味をなさないのではないか。


なお、googleは「生命」でも「人生」でも答えを教えてくれる。
google:人生、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え
google:生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え