2016-01-01から1年間の記事一覧

Lee Walters「創造されたタイプとしての反復可能な芸術作品」

Lee Walters, Repeatable Artworks as Created Types - PhilPapers Walters, Lee (2013). Repeatable Artworks as Created Types. British Journal of Aesthetics 53 (4):461-477. 音楽作品や文学作品は、人間が創造したタイプであるという立場を擁護する論…

Jerrold Levinson「音楽作品とは何か」

Jerrold Levinson, What a musical work is - PhilPapers Levinson, Jerrold (1980). What a musical work is. Journal of Philosophy 77 (1):5-28. 参照: ジェロルド・レヴィンソン「音楽作品とは何か」 - 病める無限の芸術の世界 作品の存在論の古典。 前…

戸田山『恐怖の哲学』ウォルトンの箇所

恐怖の哲学―ホラーで人間を読む (NHK出版新書 478) 少し前に戸田山さんの新刊『恐怖の哲学』が出た。個人的にはとても楽しく読んだ。未読の人のために、一応簡単な紹介を書くと、1部は感情の哲学、2部はホラーの哲学、3部は意識という構成になっている。1部…

Takashi Iida, "On the Concept of a Token Generator"

philpapers.org Iida, Takashi (2013). On the Concept of a Token Generator. Annals of the Japan Association for Philosophy of Science 21:37-55. 飯田隆さんのタイプとトークンの存在論に関する論文。ここでタイプとトークンと言われているのは、自動…

Brock, Everett編『虚構対象』

Fictional Objects出版社/メーカー: OUP Oxford発売日: 2015/06/04メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る https://global.oup.com/academic/product/fictional-objects-9780198735595?cc=jp&lang=en& ちょっと前に出た虚構対象に関する論文集。フィ…

Brian Powell「ネーゲルの利他主義再訪」

philpapers.org Powell, Brian K. (2005). Revisiting Nagel on altruism. Philosophical Papers 34 (2):235-259. Possibility of Altruism作者: Thomas Nagel出版社/メーカー: Princeton Univ Pr発売日: 1979/03/01メディア: ペーパーバック購入: 1人 クリ…

マンガのアイロニー

at-akada.hatenablog.com アイロニーの話のつづき。前回はグレゴリー・カリーによる映画のアイロニーの話を紹介した。アイロニーとは変な(と語り手が思っている)態度やスタンスをするフリをしてみせることだった。特に言葉によるアイロニーではなく、映画表…

『鳥』とアイロニー

ヒッチコックの『鳥』を観た。 鳥 [DVD]出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル発売日: 2012/09/26メディア: DVDこの商品を含むブログ (12件) を見る 実は分析美学者であるグレゴリー・カリーの『物語と語り手』にこの作品を扱った章がある。この章は、…

スタンフォード哲学事典「直観」

Intuition (Stanford Encyclopedia of Philosophy) Joel Pust, Intuition - PhilPapers Pust, Joel (2012). Intuition. Stanford Encyclopedia of Philosophy. 直観に興味あるので読んだ。ここで言う直観というのは、思考実験などを検討する際に出てくる哲学…

David Velleman「遂行可能なものdoables」

philpapers.org Velleman, J. David (2013). Doables. Philosophical Explorations (1):1-16. 哲学者のベルマンがエスノメソドロジーを大いに参照している。タイトルはdo + ableの造語。『概念分析の社会学2』が出るそうなので副読論文として読むとよいかも…

Jerrold Levinson「芸術的価値と個人的趣味」

Jerrold Levinson, Artistic Worth and Personal Taste - PhilPapers Levinson, Jerrold (2010). Artistic Worth and Personal Taste. Journal of Aesthetics and Art Criticism 68 (3):225-233. 短いが、やたら難しかった。 わたしたちは芸術的趣味の陶冶み…

本の紹介: ディキンソン『文学の学び方』

文学の学び方―付/論文・レポートの書き方 L・T・ディキンソン著、上野直蔵訳『文学の学び方―付/論文・レポートの書き方』、南雲堂、1969年 これ、とてもいい本なのだけど、そう言えばあまり知られていないかもしれないと思ったので紹介する。本書は、大学で…

アリストテレス『形而上学』Ζ巻Η巻

形而上学〈上〉 (岩波文庫) アリストテレス『形而上学』のΖ巻とΗ巻を読んだ。錯綜した議論に頭が痛くなっていたので、以下の本をちょっと読んだ。序を読んだら明快だったので図にまとめたりしていた。 (アリストテレスのことは何も知りません) Primary Ousia…

Adam Vinueza「実在論と心からの独立性」

Vinueza, Adam (2001). Realism and mind independence. Pacific Philosophical Quarterly 82 (1):51–70. 序 解説 心への依存の2つのよさそうな分析 表象分析 応用 結論 実在論は、「存在するものは、心から独立している」(反対に心から独立していないものは…

David Velleman「信念の目的について」

Velleman, David (2000). On the aim of belief. In The Possibility of Practical Reason. Oxford University Press 244--81. すでに正月って感じでもないですが、おめでとうございます。新年なので信念の目的について考えていました。 序 真理志向性を研究…